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相続手続や生前対策において。相続財産とは…
相続財産は、相続開始時に被相続人に属して
いたすべての財産がその対象となりますが、
民法上遺産分割の対象となる相続財産と、
相続税の対象となる相続財産の範囲は
一致するものではありません。
原則として、相続開始時に被相続人の財産に
属した経済的価値のあるすべての財産が
相続財産として遺産分割の対象となり、
これについて相続税が課税されます。
しかし、遺産分割の対象にならない財産も
あり、相続税法特有の課税財産、非課税財産が
定められています。
まず、系譜・祭具・墳墓などの祭祀財産に
ついては、遺産分割の対象とはならず、慣習に
従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する
ことになります。
また、祭祀財産については、通常相続税の対象
となりません。
次に、相続税法上、相続や遺贈で手に入れた
ものではなくても、実質的に相続で手に
入れたものと同じとみなして、相続税が課税
される財産(みなし相続財産)があります。
具体的には、生命保険金や死亡退職金などが
該当します。
生命保険金・死亡退職金は、全額が
課税対象となるものではなく、500万円×
法定相続人(相続放棄した者も含む)の
金額については、非課税となります。
次に、死亡前3年以内に贈与された財産に
ついても、相続税が課税されます。
本来、生前贈与を繰り返すことによって
相続税自体の課税を少なくすることは可能
ですが、駆け込み的な生前贈与に対する
防止策として、このように課税対象となって
います。
ただし、贈与を受けた時点で支払っている
贈与税額は相続税額より差し引くことができる
ので、贈与税と相続税で二重に課税される
ことはありません。
被相続人の生前に相続時精算課税制度の利用に
よって贈与されている財産も相続税の課税財産
に加算されます。
相続時精算課税とは、60歳以上の親又は
祖父母から20歳以上の子ども又は孫への贈与
で2,500万円までの贈与なら贈与税が
かからない制度です。
2,500万円を超える贈与については、超える
部分につき一律に20%の贈与税が
かかります。
贈与者が亡くなった場合には、その贈与者の
相続税の申告の際に、相続財産に相続時精算
課税を適用した贈与財産の価額を加算して
相続税を計算することになります。
たとえ贈与者の相続税の申告が必要ない場合
でも、相続時精算課税に係る贈与税相当額に
ついては、申告をすることにより還付を
受けることができます。
ちなみに、住宅取得資金の贈与については、
60歳未満の親でも相続時精算課税を利用する
ことができます。
ほかに、相続や遺贈により取得した財産で
あっても、様々な政策的な理由から非課税
財産として扱われるものがあります。
例えば、墓地、墓石、仏壇、仏具、日常礼拝
の用に供しているものなどがあります。
以上のように、相続財産は遺産分割のこと
だけではなく、相続税のことも考慮すること
が重要になります。
■■□―――――――――――――――――――□■■
司法書士アメジスト法務事務所
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相続財産は、相続開始時に被相続人に属して
いたすべての財産がその対象となりますが、
民法上遺産分割の対象となる相続財産と、
相続税の対象となる相続財産の範囲は
一致するものではありません。
原則として、相続開始時に被相続人の財産に
属した経済的価値のあるすべての財産が
相続財産として遺産分割の対象となり、
これについて相続税が課税されます。
しかし、遺産分割の対象にならない財産も
あり、相続税法特有の課税財産、非課税財産が
定められています。
まず、系譜・祭具・墳墓などの祭祀財産に
ついては、遺産分割の対象とはならず、慣習に
従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する
ことになります。
また、祭祀財産については、通常相続税の対象
となりません。
次に、相続税法上、相続や遺贈で手に入れた
ものではなくても、実質的に相続で手に
入れたものと同じとみなして、相続税が課税
される財産(みなし相続財産)があります。
具体的には、生命保険金や死亡退職金などが
該当します。
生命保険金・死亡退職金は、全額が
課税対象となるものではなく、500万円×
法定相続人(相続放棄した者も含む)の
金額については、非課税となります。
次に、死亡前3年以内に贈与された財産に
ついても、相続税が課税されます。
本来、生前贈与を繰り返すことによって
相続税自体の課税を少なくすることは可能
ですが、駆け込み的な生前贈与に対する
防止策として、このように課税対象となって
います。
ただし、贈与を受けた時点で支払っている
贈与税額は相続税額より差し引くことができる
ので、贈与税と相続税で二重に課税される
ことはありません。
被相続人の生前に相続時精算課税制度の利用に
よって贈与されている財産も相続税の課税財産
に加算されます。
相続時精算課税とは、60歳以上の親又は
祖父母から20歳以上の子ども又は孫への贈与
で2,500万円までの贈与なら贈与税が
かからない制度です。
2,500万円を超える贈与については、超える
部分につき一律に20%の贈与税が
かかります。
贈与者が亡くなった場合には、その贈与者の
相続税の申告の際に、相続財産に相続時精算
課税を適用した贈与財産の価額を加算して
相続税を計算することになります。
たとえ贈与者の相続税の申告が必要ない場合
でも、相続時精算課税に係る贈与税相当額に
ついては、申告をすることにより還付を
受けることができます。
ちなみに、住宅取得資金の贈与については、
60歳未満の親でも相続時精算課税を利用する
ことができます。
ほかに、相続や遺贈により取得した財産で
あっても、様々な政策的な理由から非課税
財産として扱われるものがあります。
例えば、墓地、墓石、仏壇、仏具、日常礼拝
の用に供しているものなどがあります。
以上のように、相続財産は遺産分割のこと
だけではなく、相続税のことも考慮すること
が重要になります。
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