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生命保険金を受け取ったら…特別受益になるのだろうか?
親が亡くなり相続が起き、共同相続人の一部が
生命保険金の受取人になっていると、相続分に
関して不公平があるように思えます。
そのような場合に、特別受益の持戻しの対象と
なって、不公平さを是正することができるのか
という問題があります。
生命保険金は、ほぼ相続財産ではなく、相続人
固有の財産になるとされています。
とはいうものの、生命保険金が相続財産では
ないにしても、被相続人の生命保険金を、
相続人の一部が相続した場合、他の相続人から
すれば、その生命保険金という財産を受領した
相続人に比べて不公平な取扱いを受けたと
思ってしまうのも無理ありません。
なので、生命保険金を受領することが特別受益
に該当するか別途検討する必要があります。
まず、特別受益とは、特定の相続人が被相続人
から受けた生前贈与などの特別な利益のことを
いい、民法上、特別受益に該当するのは、
①遺贈
②婚姻もしくは養子縁組のための贈与を受けた
場合
③生計の資本としての贈与を受けた場合
とされています。
このことからすれば、生命保険金が民法上予定
されている特別受益そのものとして評価する
ことはできません。
しかし、生命保険金の取得のための費用である
保険料は被相続人が生前支払ったものである
こと、被相続人の死亡により保険金請求権が
発生するものであることに鑑みると、これに
より相続人間に不公平が生じる可能性も否定
できません。
なので、保険金受取人である相続人とその他
の共同相続人との間に生じる不公平さが著しい
ものであると評価すべき特段の事情がある場合
には、生命保険金でも特別受益に準じて持戻し
の対象になり得ると考えられています。
ここにいう特段の事情の判断要素としては、
保険金の額、その額の遺産の総額に対する比率
のほか、同居の有無、被相続人の介護等に
対する貢献の度合いなどの保険金受取人である
相続人及び他の共同相続人と被相続人との
関係、各相続人の生活実態等の諸般の事情を
総合考慮して判断すべきものとされています。
また、特別受益に準じて持戻しの対象とされた
場合には、その対象となる金額の算定方法に
ついては、
①受領保険金総額
②死亡時の解約返戻金相当額
③受領保険金のうち、保険料負担者である
被相続人において、その死亡時までに
払い込んだ保険料の、保険料全額に対する割合
を保険料に乗じて得た金額
などの見解があり、いまだ確定的な取扱いは
ありません。
生命保険金の受取りは、相続分において
特別受益があるように思えますが、その金額が
著しく不公平なほどに高くなければ、特別受益
に準じて持戻しの対象になることはないという
ことがいえます。
■■□―――――――――――――――――――□■■
司法書士アメジスト法務事務所
【電話番号】 078-362-0216
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親が亡くなり相続が起き、共同相続人の一部が
生命保険金の受取人になっていると、相続分に
関して不公平があるように思えます。
そのような場合に、特別受益の持戻しの対象と
なって、不公平さを是正することができるのか
という問題があります。
生命保険金は、ほぼ相続財産ではなく、相続人
固有の財産になるとされています。
とはいうものの、生命保険金が相続財産では
ないにしても、被相続人の生命保険金を、
相続人の一部が相続した場合、他の相続人から
すれば、その生命保険金という財産を受領した
相続人に比べて不公平な取扱いを受けたと
思ってしまうのも無理ありません。
なので、生命保険金を受領することが特別受益
に該当するか別途検討する必要があります。
まず、特別受益とは、特定の相続人が被相続人
から受けた生前贈与などの特別な利益のことを
いい、民法上、特別受益に該当するのは、
①遺贈
②婚姻もしくは養子縁組のための贈与を受けた
場合
③生計の資本としての贈与を受けた場合
とされています。
このことからすれば、生命保険金が民法上予定
されている特別受益そのものとして評価する
ことはできません。
しかし、生命保険金の取得のための費用である
保険料は被相続人が生前支払ったものである
こと、被相続人の死亡により保険金請求権が
発生するものであることに鑑みると、これに
より相続人間に不公平が生じる可能性も否定
できません。
なので、保険金受取人である相続人とその他
の共同相続人との間に生じる不公平さが著しい
ものであると評価すべき特段の事情がある場合
には、生命保険金でも特別受益に準じて持戻し
の対象になり得ると考えられています。
ここにいう特段の事情の判断要素としては、
保険金の額、その額の遺産の総額に対する比率
のほか、同居の有無、被相続人の介護等に
対する貢献の度合いなどの保険金受取人である
相続人及び他の共同相続人と被相続人との
関係、各相続人の生活実態等の諸般の事情を
総合考慮して判断すべきものとされています。
また、特別受益に準じて持戻しの対象とされた
場合には、その対象となる金額の算定方法に
ついては、
①受領保険金総額
②死亡時の解約返戻金相当額
③受領保険金のうち、保険料負担者である
被相続人において、その死亡時までに
払い込んだ保険料の、保険料全額に対する割合
を保険料に乗じて得た金額
などの見解があり、いまだ確定的な取扱いは
ありません。
生命保険金の受取りは、相続分において
特別受益があるように思えますが、その金額が
著しく不公平なほどに高くなければ、特別受益
に準じて持戻しの対象になることはないという
ことがいえます。
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