相続放棄を考えられている方へ。単純承認したものとみなされる行動に注意してください！

いざ相続が発生した場合に、相続人が

 

 

積極的に相続について承認の意思表示を

 

 

しなくても、以下のような事由に該当

 

 

すれば、単純承認したものとみなされ

 

 

（法定単純承認）、相続放棄や限定承認

 

 

ができなくなってしまいます。

 

 

 

 

①相続財産の処分

 

 

⇒「処分」には、相続財産を売却するような

 

 

法律行為のみならず、以下のような内容や、

 

 

事実行為も含まれます。

 

 

 

 

・建物の取壊しや放火など

 

 

 

・預貯金の解約・払戻

 

 

⇒払戻金を自分のために消費するなどの行動を

 

 

とると、相続財産の処分に該当します。

 

 

 

 

・債権の取立て

 

 

⇒被相続人が賃貸不動産を所有されていた

 

 

場合、その賃料の支払請求や、賃料の

 

 

振込先を自己名義の口座に変更するような

 

 

行為は、相続財産の処分に該当します。

 

 

 

 

ただ、被相続人の債権について、相続開始前

 

 

から弁済期が到来している場合に相続人が

 

 

債務者へ支払請求をすることは、相続財産で

 

 

ある債権の価値を維持するための保存行為

 

 

なので、相続財産の処分には該当しません。

 

 

 

 

・株主の議決権行使

 

 

等々

 

 

 

 

そして、次のような行為は、原則として、

 

 

法定単純承認には該当しません。

 

 

 

 

・建物の維持のための修繕

 

 

⇒保存行為に当たるからです。

 

 

 

 

・交換価値のない物の形見分けや、多くの遺産

 

のうちの僅かな物

 

 

・遺体や身の回りの品、僅少な金銭の受領

 

 

・遺産による葬儀費用や治療費の支払い、

 

墓石・仏壇などの購入

 

 

・被相続人の債務の弁済

 

 

⇒相続財産から支弁する場合は処分に当たる

 

 

可能性がありますが、相続人が自己の財産

 

 

から弁済する場合には処分に当たらず、

 

 

法定単純承認になりません。

 

 

 

 

等々

 

 

 

 

②熟慮期間の経過

 

 

⇒自己に相続開始があったことを知った日から

 

 

３か月を経過してしまった場合をさします。

 

 

 

 

この場合、原則として、単純承認したものと

 

 

扱われます。

 

 

 

 

③相続放棄や限定承認をした相続人が、その

 

行為と矛盾するような背信行為をしたとき

 

 

⇒相続財産の全部又は一部を隠匿したり、

 

 

勝手に消費したりするような行為などを

 

 

いいます。

 

 

 

 

上記の内容のように、相続放棄などをするに

 

 

あたっては、熟慮期間内に手続をすることも

 

 

重要ですが、上記のように法律上相続を

 

 

単純承認したものとみなされるようなこと

 

 

（法定単純承認事由）に該当しないように

 

 

注意することも重要なのです。