相続手続や生前対策をされている方へ。「相続放棄」と「遺留分の放棄」は別物です!

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相続・遺言のブログ

2018/09/28 相続手続や生前対策をされている方へ。「相続放棄」と「遺留分の放棄」は別物です!

人が亡くなると、相続が発生し、その相続人

 

 

が兄弟姉妹以外の者であれば遺留分

 

 

有します。

 

 

 

 

遺留分は、被相続人が死後の財産処分を全面的

 

 

に自由できることにより、残された家族の生活

 

 

の経済的基盤が脅かされることを考慮して、

 

 

両者の調整を図る趣旨から設けられた制度

 

 

です。

 

 

 

 

その上で、兄弟姉妹以外の相続人(代襲相続人

 

 

も含む)のために、法律上必ず留保

 

 

されなければならない遺産の一定割合を遺留分

 

 

として定められています。

 

 

 

 

ただ、遺留分権利者は自己の遺留分について

 

 

放棄することができます。

 

 

 

 

一見、遺留分は個人的な財産権でなので、その

 

 

放棄も遺留分権利者個人が自由になし得る

 

 

はずのように思えます。

 

 

 

 

しかし、この放棄を無制限に許してしまうと、

 

 

遺留分権利者があらかじめその放棄を強要

 

 

されて、諸子均分相続や配偶者相続の理念

 

 

反する手段に利用されるおそれがあります。

 

 

 

これは、全財産の処分や、特定の子に相続

 

 

させやすくするおそれをいいます。

 

 

 

 

なので、相続開始における遺留分の放棄

 

 

ついては、家庭裁判所の許可が必要に

 

 

なります。

 

 

 

 

遺留分の放棄は相続開始前にできる制度がある

 

 

点で、相続放棄とは異なります。

 

 

 

 

相続放棄は、相続開始後でなければすることが

 

 

できません

 

 

 

 

 

そして、相続開始における遺留分の放棄

 

 

ついては、家庭裁判所の許可は必要なく、

 

 

任意の方法(意思表示)で放棄することが

 

 

できます。

 

 

 

 

任意の方法(意思表示)によってできる点が、

 

 

相続放棄と異なります。

 

 

 

 

相続放棄をするには、家庭裁判所の申述手続

 

 

必要になります。

 

 

 

 

次に、相続人が複数いる場合には、共同相続人

 

 

1人のした遺留分の放棄は、他の共同相続人の

 

 

遺留分には影響しません。

 

 

 

 

つまり、共同相続人の1人が遺留分を放棄

 

 

しても、他の共同相続人の遺留分が増えるわけ

 

 

ではありません

 

 

 

 

相続放棄の場合は、その放棄した者は初めから

 

 

相続人でなかったものとみなされるので、他の

 

 

共同相続人の相続分は増加します。

 

 

 

 

この点は、遺留分の放棄と異なります。

 

 

 

 

また、遺留分の放棄は、相続放棄ではない

 

 

ので、相続開始前に遺留分を放棄したと

 

 

しても、相続が開始すれば当然に相続人に

 

 

なります

 

 

 

 

あくまで、遺言書による遺贈などによって

 

 

遺留分を侵害されていた場合に、

 

 

遺留分減殺請求権を行使できないという

 

 

ことに過ぎないのです。

 

 

 

 

以上のように、「放棄」という共通の制度

 

 

でも別の制度なので、利用する上では

 

 

それらの違いが何なのかはちゃんと理解して

 

 

検討する必要があります。

 

 

 

 

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