遺言書の存在を隠していた場合。当然に相続欠格事由になるのだろうか?

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遺言書の存在を隠していた場合。当然に相続欠格事由になるのだろうか?

相続・遺言のブログ

2018/09/09 遺言書の存在を隠していた場合。当然に相続欠格事由になるのだろうか?

例えば、父親が亡くなり相続が発生し、

 

 

その相続人が、子であるA・B・Cだとします。

 

 

 

 

そして、この3人の共同相続人で遺産分割協議

 

 

しました。

 

 

 

 

ただ、Aさんはあらかじめ遺言書があることを

 

 

知っていましたが、3人で遺産協議した内容と

 

 

遺言の内容が同じだったので、遺言書を

 

 

見せることなく相続手続を済ませたとします。

 

 

 

 

しかし、相続手続後にBさんやCさんが

 

 

「遺言書があったことを知っていたのに

 

 

隠していたのは、相続欠格事由に当たる。」

 

 

と言い出した場合、Aさんは父親の遺産を

 

 

引き継ぐことができなくなるのでしょうか。

 

 

 

 

たしかに民法では、相続人としての資格を剥奪

 

 

する制度、いわゆる相続欠格事由の1つに

 

 

相続人関する被相続人の遺言書を偽造、

 

 

変造、破棄、又は隠匿した者という

 

 

場合を定めています。

 

 

 

 

上記の事例において、Aさんの行為がこの隠匿

 

 

というものに該当するかどうかが問題と

 

 

なります。

 

 

 

 

隠匿」とは、遺言書の発見を妨げるような

 

 

状態にするすべての行為を含むもの

 

 

解されます。

 

 

 

 

 

相続人のうちの誰かが違法な利得を図り遺言書

 

 

を隠匿すると、遺言者の最終の意思どおりの

 

 

相続が行えなくなります。

 

 

 

 

そこで、遺言者の意思を実現させるために、

 

 

遺言書を隠匿した者の相続人資格を剥奪する

 

 

ことにしています。

 

 

 

 

しかし、「隠匿」に該当するには、単に遺言書

 

 

を故意に隠したというのみではなく、遺言書を

 

 

隠すことによって、「相続上の自分の地位を

 

 

有利にする、又は不利にさせない」という意思

 

 

があることが必要になります。

 

 

 

 

なので、上記の事例では、Aさんが父親の

 

 

遺言書の存在を知っていながら共同相続人

 

 

であるBさん・Cさんに知らせずに

 

 

遺産分割協議を済ませて相続手続を済ませたと

 

 

しても、協議内容が遺言の内容と同じであれば

 

 

Aさんにとって有利になるわけではないので、

 

 

Aさんは相続欠格事由に該当しません

 

 

 

 

よって、相続手続をやり直す必要もないの

 

 

です。

 

 

 

 

反対に、遺言書の内容が自分の法定相続分より

 

 

不利などの理由で、遺言書を隠しその内容

 

 

よりも有利になる内容で遺産分割協議を

 

 

行えば、相続欠格事由にいう「隠匿」に該当

 

 

し、相続権を失うことになるので、注意が

 

 

必要です。

 

 

 

 

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